無職風日記

IKD DIE SUCK

コピペ

727 :お前名無しだろ :2006/06/07(水) 15:32:41 ID:4PuFG0I30
武蔵小山で桜庭は一人、「ゲリラ・ラジオ」を歌っていた。

「あそこでみんな死んでいったんだ......」
今は何もない空き地を指差しながら、桜庭はつぶやいた。

格闘技イベント「PRIDE」が始まった時、その場所には道場が作られた。
桜庭は道場主の高田や、豊永、松井たちと共にその作業に参加した。
高田とはロッキー4のサントラを一緒に聞いたりしながら練習もしたという。

一時隆盛を極めたものの、黒社会とのスキャンダルにより、
やがて戦況はPRIDEに不利となり、 いつフジテレビが撤退してもおかしくない状況になった。

豊永や松井達と話し合った彼は、代表数人と共に高田のもとを訪れた。
最後までPRIDEで一緒に戦わせて欲しい、と。
それを聞くなり高田は激高し叫んだという。

「貴様みたいなポンコツがPRIDEのようなハイレベルなリングで戦えるか!」

高田は仲間だと思っていたのに......みせかけだったのか。裏切られた想いで、みな悔し涙を流した。
電車に乗って武蔵小山を去る日 道場生は誰一人見送りに来ない。
桜庭達は、悄然と電車に乗り込んだ。

しかし電車が駅を離れた瞬間、道場生全員が駅のホームに走り出てきた。
そして桜庭のテーマ「スピード2」を歌いながら、手を振って彼らを見送った。
先頭には笑顔で手を振る高田が。

その瞬間、彼は悟ったという。 あの言葉は、自分達を救うためのものだったのだと......。